独特の「複合治療」をダイナミックに実践
日本口腔生体医学研究会
 歯科医師・手技療法家 中谷 紀之
   解説・記・元神戸新聞編集長 浜渕節夫
アゴがゆがむと首、背中、腰、足へ
        
 「歯のかみ合わせこそが健康の根源」
 この信念のもと、専門の歯科治療だけでなく、触手療法、呼吸法、歩行健康法など、
さまざまなテクニックを駆使した複合治療で難病に取り組んで20年以上になる。
 泉佐野市の診療所には、歯の治療より、病院では治らない難病で触手療法を受けにくる人のほうがはるかに多い。
最新式の歯の治療器具が並ぶ診療室の片隅に、さりげなく置かれた小さなベッド。
 それが全国でも例のない、中谷流複合治療のただ一つの舞台装置である。
  「人間の体は、アゴから背骨、骨盤、さらには足首へつながっているので、歯のかみ合わせのゆがみが、首から背中、腰、太もも、アキレス腱に順次負担をかけ、首や肩こり、腰痛の原因になり、それがひどくなると、心臓や肺、胃腸など内臓を圧迫して、万病を引き起こすもとになる。

道元禅師が伝えた「触手療法」を実践
 「触手療法」----- 鎌倉時代の高僧・道元禅師が開祖と伝えられる治療法だ。
整体法や指圧、マッサージと似ているが、原理はまったく逆。首を曲げたり、骨を引っ張るといった″けん引″は一切使わず、静かに力を加えていく″加圧循環″で体のゆがみを治していく。
かみ合わせ治療で腎臓病が快方へ
 中谷医師は約25年前に開業したが、触手療法に興味を持ち、複合治療を始めたのは、ちょっとした歯の治療の偶然から。
  あるとき、人工透析を続けていた患者の歯を治療し、ぴっちりと合わせた総入れ歯をはめたところ、腎臓のほうも良くなってきた。
 「歯のかみ合わせを治しただけで、なんで腎臓が・・」 その日から研究家・中谷医師の猛勉強が開始された。
京都大学心臓外科の医師だった一切照和尚のもとに通い、道元流の触手療法をマスター。
同志を結集して日本口腔生体医学研究会を結成し、咬合と頸椎の関連性、咬合が腸・腎など内臓に与える影響 − といった研究報告を次々と発表、注目を集めている。
 なかでも一番の自慢は、人間の基本的な姿勢である 「重力場におけるヒトの直立と咬合」 の相関関係を計算式で解析、解明した 「ピタゴラスの定理」 正しく直立している人間を横から見ると、上からアゴ、首、胸、腰の4カ所に彎(わん)曲部分がある。
  それを咬合、頸椎、胸稚、腰椎の円環で表すと、健康そのものの理想の生体が浮かび上がってくる。(図参照)
 「咬合と首の頚椎の円が同じ大きさで、この2つの円と腰椎の円の面積の和が、胸椎の円の大きさと等しい体が理想的なんです。歯のかみ合わせがくずれて、奥歯が下方へ落ちると、3つの軸を結ぶ3角形の重心も後方に下がり、首のわん曲や背中のわん曲がくずれて、健康な姿勢が保てなくなるんです」正しい咬合が健康の根源---中谷医師の長年の研究成果がこれで証明されたことになる。


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