女性の方が長生きは当然で在る訳!


ここ数年フリーラジカルという言葉が話題になっていますが、炎症やストレスによる虚
血―再灌流で体内に発生する活性酸素は、癌などの生活習慣病の原因ともなっています。
 活性酸素にはスーパーオキシド・ヒドロキシラジカル・過酸化水素・一重項酸素の4種
類が知られていますが、それぞれの分子をみると過酸化水素と一重項酸素は、電子が2個
ずつの対になっているのに対してスーパーオキシドとヒドロキシラジカルの分子は、対
から溢れた1個の不対電子を持っています。
 酸化とは酸素と他の物質が結合することだと習ったと思いますが、敢えて酸化を定義す
るならば、Aという物質がBという物質から電子を奪うことを「AがBを酸化する」と表現し
ます。不対電子があると、他の物質から電子を奪って安定化しようとするので、その物質
は非常に強い酸化作用を持ちます。このような不対電子を持つ物質をフリーラジカルとい
います。いわば、オーケストラのコンサートマスターのヴァイオリンの弦が切れているみ
たいなものです。隣の第2ヴァイオリンから弦の切れていないヴァイオリンを借りなけれ
ば演奏を続けられません。すると貸した人が今度はフリーラジカルになり、こうして周囲
の物質を次々に酸化するのが特徴なのです。炎症において好中球などから発生する過酸化
水素はフリーラジカルではなく、活性酸素の中ではおとなしい方です。ところが、過酸化
水素と鉄が反応すると、細胞膜や遺伝子への傷害作用の強いヒドロキシラジカルが発生し
ます。また、先ほど述べた自動酸化は鉄−酸素複合体によっても引き起こされます。鉄は
赤血球の生成などに不可欠なミネラルの一種であり、それ自体はもちろん発癌物質ではあ
りません。女性は月経によって多量の鉄を失いますので、男性より体内の鉄貯蔵量が少な
く、このため鉄の1日所要量は成人男性で10mg、女性で12mgと女性で高めに設定されてい
ます。もし男性が女性と同じレベルで鉄を摂取すれば、体内の鉄貯蔵が過剰になり、ヒド
ロキシラジカルや鉄−酸素複合体の発生量を増やす可能性があり、寿命に影響すると推測
されます。
 次に私たちが生きている限り、体内では絶えずエネルギーが消費されています。静かに
横になっていても1日1200〜1400Kcalのエネルギーを消費しています。この生命維持活動
に必要な最小限のエネルギー量を基礎代謝量といいます。基礎代謝はその人の体の表面積
に比例しますので、男性よりも小柄な女性の方が基礎代謝量は低くなります。つまり、女
性は男性より少ないエネルギー消費で生活している訳で、このため一生の間に体内に発生
する活性酸素の量も少なくてすみます。この事が男性より老化のスピードを遅らせ、長寿
に貢献していると考えられます。最後に私たちの体は進化の過程で病原体に備える武器と
して活性酸素を身につけましたが、それは同時に自分の体をもさいなむ両刃の剣でした。
そして、この剣を収める鞘を獲得した動物だけが進化の中で生き残ってきたのです。この
鞘にあたる物質が活性酸素やフリーラジカルによる酸化を防ぐので抗酸化物質(スカペン
ジャー)と呼び、活性酸素やフリーラジカルを掃除・消去してくれます。
 スカペンジャーは抗酸化酵素と酵素以外の低分子物質に大きく分かれます。抗酸化酵素
の主なものは、スーパーオキシドジスムターゼ・カタラーゼ・グルタチオンペルオキシグ
ーゼなどです。酵素以外では抗酸化ビタミンE・C・尿酸・胆汁色素・フラボノイド・エス
トロゲン他などで、これらの体内貯蔵量が多いほど長寿でおり、女性が男性より長寿であ
る理由のひとつがエストロゲンの抗酸化作用にある訳です。以上3つが主な理由です。
合掌!