呼吸と禅健康法


ヒトは場当たり的に進化したらしい。ムカシホヤの幼生進化により脊椎動物が誕生し、直
立2足歩行サルになる迄に約5億年要しました。その間に、呼吸法も皮膚呼吸、エラ呼吸さ
らに肺呼吸へと変化して行きます。一方、ゴキブリやサメはそれなりの完成品として、ヒ
トよりも遥かなる昔より生きながらえています。ヒトは脳ばかり頭進(発達)させたがた
めに、いま種として絶滅の危機に立たされていると言っても過言ではないでしょう。
 禅はその矯正法の1つとして理に叶っています。そして、その要諦が「調身・調息・調心」
の3つになります。まず〔調身〕を考えると、サルは、ある日2本足で立ち上がった。が、
これでは不完全です。波の間に間の皮膚呼吸の名残とも言われる脳脊髄液の還流も、重力
差でおかしくなったが、これはまあなんとか歩くことによる尾底骨の「ポンプ運動」でカ
バーできた。しかし、脳の発達で脳頭蓋の重量が増したことや、運動不足、日常習慣の不
備などから体の各部で頭位中心軸からのズレを起こし、それが骨や筋肉の変化を生み、心
身に大きく影響してきた。そのため〔調身〕すなわち姿勢を決めなければならなくなりま
した。
 次に「調息」について検証すると、ヒトは言葉を喋れるようになり、同時に口呼吸もで
きるようになった。口呼吸ができるのはヒトだけです。赤ちゃんも1才までは口呼吸はで
きません。この口呼吸が様々な障害をもたらすのです。言葉を喋るようになって、咽頭の
部分が下がり、そのため空気が咽頭扁桃部に当たって、雑菌や大気の汚染、あるいは温度、
湿度などの影響を受け易くなります。ワルダイエル扁桃リンパ輪(咽頭扁桃、耳管扁桃、
口蓋扁桃、アデノイドをリング状に配置)に炎症が起こると、様々な疾患の元となります。
例えば、風邪で喉をやられると関節が痛むことがありますが、これは咽頭扁桃部が白血球
造血器であり、各関節部が白血球造血巣であることに由来します.鼻は脳の窓口であり鼻
呼吸してやれば臭覚細胞が刺激されて脳が活性化します。
 このような事実から、禅においては〔鼻呼吸〕を厳しく教えます。禅の最高の境地〔三
昧−ザーマディー〕は鼻から吸って鼻から吐くに尽きます.また、エラ呼吸していた時期
には平滑筋 (内蔵を動かす不随意筋)で呼吸していたのが、哺乳システムを取り入れた
とき横紋筋化(自分の意志で動く)し、哺乳、咀嚼、嚥下、表情といった機能を持つよう
になりました。呼吸は肺という臓器が取って代わった為、体壁筋をなしている横紋筋によ
って代行されるようになりました。そのため、横隔膜を含めた呼吸筋をよく動かす“腹式
呼吸”すなわち〔調息〕が必要となりました。
 最後に「調心」は脳と腸を整えれば心身は静に正しく安定する、すなわち涅槃寂静の事
であり、脳内ホルモンと腸内ホルモンは全く同じです。ですから図のように鼻呼吸をうな
がすために下から上にテープを1本貼って寝て下さい。



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